品川にてT-Art Galleryと原美術館をはしごしてきた
週末を利用して実家へ帰りました。その際に近くのギャラリーと美術館をのぞいてきました。ひとつが、T-Art Galleryでもうひとつが原美術館。
両方とも品川区内にあり、それほど距離も遠くないので、併せてみることができます。
T-Art Gallery
近年、TERRADA ART AWARDを開催して、名前が知られるギャラリーでこの天王洲地区で、長年倉庫業を営む寺田倉庫が運営しているギャラリーです。
最寄駅は臨海線の天王洲アイル駅。他には近くにモノレールが通っています。
駅から出た瞬間から、こういう埋め立てて作られた湾岸エリア特有の全体的な均質さが方向感覚を鈍らせます。どっち行ったらいいのとなります。
天王洲アイル自体は、はじめてきたわけではないのに迷いました。
あたりをつけて、しばらく歩いているとこんな案内が。助かります。
矢印が続いている。分かりやすい。
ギャラリー到着。と思いきや、受付にてギャラリーはこちらではなく、反対側だと教えてもらいました。
つまり、→ではなく←。ほんとだ。よく見ていなかった。
到着。
ギャラリーはエレベーターを上がって2階。ギャラリーといってもかなり広く、小さめの美術館といってもいいくらい立派なところでした。
開催されていた展示は文化庁買上優秀美術作品展。東北芸術工科大学の三瀬夏之介先生の絵も展示してありました。
T-Art Galleryから原美術館まで
天王洲アイルは目的がなければなかなか来るような場所ではないことと、銀座のようにギャラリーが連なっているわけではないので、展示巡りとはなかなかいきませんが、ここから原美術館であれば、割と近いです。
T-Art Galleryをでたら、天王洲アイル駅とは反対側、京浜急行線の新馬場駅にむけて歩きます。徒歩にして15分ほど。
天王洲アイルの比較的新しめの町並みから、徐々に旧東海道のある下町的な雰囲気に変わっていきます。
新馬場の駅からは上り普通で隣駅の北品川下車。そこからはまた徒歩で10分ほどで原美術館につきます。
御殿山付近。周辺には外国の大使館が立ち並び、高級感が漂います。
原美術館
現代アートを扱う美術館としては全国的に有名な美術館で、美術館を紹介するような書籍や、雑誌に必ず名前が出てくる評価の高い美術館です。
原美術館(※2020年12月閉館予定)
開催中の展示は、『サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡』
日本でこれほど大々的に展示をするのは初めてで、見れてラッキーでしたが、サイ トゥオンブリーをよく知らなかったのはここだけの話。
子供の落書きにも見える線の戯れのような作風は、内なるエネルギーを≪手で描く≫という身体的所作によって画面に炸裂させる即興性と激情性に満ちています。
とてもうらやましい。このような描き方は絶対に私にはできません。
トゥオンブリーの直感と感情に従ったストロークというものは、私のような抑制された線で描くことに慣れた人間には恐くてなかなかできません。
子供にも描けそうと言いますが、それが難しい。大人になり技術としてそれを教わった人間にはなおさら。
こういった現代アートの美術館ではよくある事なのですが、会場がとてもにぎやかで至るところで、作品について談笑している姿が見受けられます。
客層がデパートの団体展を見に来るような層とはまったくちがって、比較的若い世代、美大生かなと思うような人が作品にかぶりついて見ていましたよ。好きなんだなぁ。
常設展には東北芸術工科大学の宮島達男先生の作品も。
私邸を美術館にした建物で美術館全体が曲線で作られていて、内装も素敵です。きれいな中庭もあり、その中庭に面したカフェは満席でした。平日に訪れれば、優雅な時間が過ごせそう。
東京とは思えない空間と時間を堪能してきました。