【青森の美術館】十和田市現代美術館に行ってきた
青森県十和田市にある十和田市現代美術館は、アートを通した新しい体験を提供する拠点として2008年に開館。国内外で活躍する現代アーティスト21人の作品が常設展示されています。
現代アートってグロテスクなものから、難解なものまでいろいろあるけれど、現代アートって面白いと思わせる美術館でした。
今回私の青森への旅の目的地であり、十和田奥入瀬芸術祭が開催されていました。
アクセス
JR七戸十和田駅から十和田観光電鉄に乗車、またはJR八戸駅から十和田観光電鉄かJRバス。
どれも小1時間ほど時間がかかることと本数も限られているので、新幹線の時間と合わせてプランを立てておかないと、行くことはできても帰りの便がなくて困ったりするかも。
困ったら、駅の案内ステーションに尋ねてみるといい。最適な便を紹介してくれる。私も救われました。
外の展示
バスを降りた瞬間に作品が目に入り、テンションが上がる。公園のようなアートの広場と美術館に面する通りにスロリートファニチャーにそれぞれ作品が設置されています。
インゲス・イデー『ゴースト』、『 アンノウン・マス』。のっぺりとしたおばけ。男子トイレからも見上げると…
草間彌生『愛はとこしえ十和田でうたう』。子供も大喜び。
エルヴィン・ヴルム『ファット・ハウス』『ファット・カー』。変わったお宅ですね。中で映像が流れています。
R&Sie(n)『ヒプノティック・チェンバー』。耳かな?中にも入れました。
お金を払って美術館に入らなくても、外の作品だけでも十分楽しめます。チェ・ジョンファ『フラワー・ホース』。ガイドブックにも乗っている十和田市現代美術館を象徴する有名なやつ。青空に映える。
椿 昇『アッタ』。メカニカルで赤がまぶしい。
各ブースに一作家。それぞれのブースをガラスの回廊がつなぐ作りとなっていて、廻るのが楽しい。展示室だけではなく、中庭や屋上、エレベーターの中にまで作品がある。 どこに作品があるのか探索して見つける楽しみがあります。
館内は撮影禁止だったため、画像はありませんが印象に残っている作品はたくさんありました。
入ってすぐ、ロン・ミュエクの『スタンディング・ウーマン』が出迎えてくれる。血管の浮き具合やシミといった肌の質感がリアルに再現されている。迫力があり、気味が悪いが目が離せません。
ハンス・オプ・デ・ピークの『ロケーション』暗い部屋の中に手探りで入っていく。目が慣れてくるとぼんやりとテーブルや椅子、どこまでも続く道路が見えてきます。
栗林隆『ザンプラント』真っ白な部屋に天井の穴と謎の尾ひれがぶら下がっています。設置されているテーブルの上に登って穴の中をのぞくと天井の上の世界を見ることができます。 穴をのぞく瞬間ひやりとした空気が漂い、そこには…。上には何があるんだろうというワクワク感と上と下の世界のギャップが良い。
スゥ・ドーホー『コーズ・アンド・エフェクト』天井から、透明プラスチックであろうシャンデリアがぶら下がっています。グラデーションが美しく近づいて見てみると、ちょっ、これは… マッチョ体型の人形が肩車して、天井まで連なっている。シリアスなコンセプトがありそうですが、思わず笑ってしまいます。
マリール・ノイデッカー『闇というもの。』山林の一部をそのまま切り抜いてきたようなスケール感には圧巻。
気になったところ
とても面白い美術館で充実感でいっぱいでしたが、ミュージアムショップのしょぼさはいただけない。 後は駅から十和田市までのアクセスに一苦労しました。もっと楽なアクセス方法があるのかもしれませんが。
十和田市美術館は十和田市の官庁街にありますが、周辺に何もない印象を受けました。商店街はシャッターを下ろしている店舗が多く寂しげ。何か見るべきものがあるかと思い歩いてみましたが、収穫がありませんでした。
町おこしの意味合いで美術館ができたのだと思いますが、美術館周りが華やかでモダンなだけに余計に落差を感じました。
最後に
帰るころにはあたりは暗くなり、美術館のライトアップを見ることができました。写真では青ですが、様々な色にライトアップが変化していきます。
青森にはエッジのきいた美術館がたくさんあってうらやましいかぎり。今度は十和田湖や奥入瀬も併せてまた見に来たいと思いました。